令和7年度 校長だより

令和7年度 第62回卒業証書授与式 式辞

式 辞

寒さの中にも、春の息吹が感じられる今日の佳き日に、埼玉県立狭山工業高等学校第62回卒業証書授与式を挙行できますこと、誠に喜ばしく、厚く御礼申し上げます。

ご多忙の中、ご臨席賜りましたご来賓の皆様には、心より御礼申し上げます。

第62回卒業生の皆さん、本日はご卒業誠におめでとうございます。皆さんが本校で過ごした3年間は、決して平坦な道のりばかりではなかったことでしょう。しかし、今日こうして卒業の日を迎えられた皆さんの顔には、それぞれの努力と成長の証が輝いています。心から祝福し、そして、これまでの皆さんの努力と精進を労いたいと思います。

皆さんが本校に入学した時のことを思い出してください。新型コロナウイルスが世界中にまだ大きな影響を与えていた令和5年4月10日、当時の校長先生は、皆さんにいくつかの言葉を贈られていました。

「18歳成人を迎える社会人として、しっかり自覚をもって一日一日を大切に送ってほしい」。

そして、「自分の将来像を心にきちんと描いてほしい」。

さらに、「悩みやつらい気持ちに負けてはいけない」と。

そして、皆さんの学年が掲げた目標は、「社会のレギュラーになれ!!」でした。入学時からの校長先生の言葉、そしてこの学年目標を胸に、皆さんはこの3年間、本当によく頑張ってくれました。

日々の学習や部活動、委員会活動に真摯に取り組み、社会人としての自覚を育んできました。専門的な学びを通して、将来の目標をより具体的に描けるようになった人も多いでしょう。そして、時には仲間と励まし合い、時には先生方のサポートを受けながら、様々な困難を乗り越え、精神的な強さも身につけてくれました。皆さんがこの三年間で培った力は、今後の人生の大きな支えとなるはずです。

本校の校訓は、皆さんもよくご存じの通り「誠実、創造、不屈、和楽」の四つの言葉です。皆さんは日々の学習や学校生活の中で、この校訓を実践し、「ものづくり」を通して専門性を高める中で、卒業後の社会で活躍するための確かな力を身につけ、人間として大きく成長してくれたと確信しています。

さて、皆さんはこれから、それぞれの新しい道を歩み始めます。就職する人、進学する人、その道は様々ですが、どの道に進むにしても、皆さんに伝えたいことがあります。

狭山工業高校で培った「誠実」な心、「創造」する力、「不屈」の精神、そして「和楽」を重んじる心を、これからの人生においても大切にしてください。

社会に出ても、「誠実」であることを忘れず、信頼される人であってください。

変化の激しい時代の中で、常に新しいものを生み出す「創造」の気概を持って挑戦し続けてください。

困難にぶつかっても、「不屈」の精神で粘り強く乗り越え、自分自身の可能性を信じてください。

そして、周りの人々との「和楽」を大切にし、感謝の気持ちを持って、豊かな人間関係を築いていってください。

今、社会は生成AIやロボット技術の急速な普及により、大きな変革期を迎えています。皆さんがこれから歩む社会は、これまでの常識が通用しない、予測困難な時代になるかもしれません。しかし、これは皆さんの可能性が無限に広がる時代でもあります。AIやロボットが担う役割が増えるからこそ、人間の持つ創造力や倫理観、そして問題解決能力がより一層重要になります。

皆さんに、世界中の人々に夢と感動を与え続けているプロ野球選手、大谷翔平選手の例を挙げたいと思います。彼は、ピッチャーとバッターの「二刀流」という、誰も成し遂げられなかった、まさに「創造」的な挑戦を続け、数々の困難にも「不屈」の精神で立ち向かい、世界トップレベルの選手となりました。そして、その活躍は、野球界だけでなく、世界中の人々に大きな希望と勇気を与え、社会に貢献しています。

皆さんが狭山工業高校で培った「ものづくり」の精神、すなわち、試行錯誤を繰り返し、粘り強く課題に取り組む力は、まさに新しい価値を探求し、「失敗を恐れずに挑戦する」ことと繋がります。大谷選手が常に自身の可能性を信じ、高みを目指し続けているように、皆さんもこれからも、新しいことへの挑戦を続け、たとえ失敗したとしても、それを次の成功の糧としてください。

そして、皆さんの持つ技術と情熱で、ぜひ「社会に貢献できる技術者」となってください。生成AIやロボット技術を使いこなし、あるいはそれらを生み出す側として、皆さんの工夫や努力が、誰かの生活を豊かにし、社会全体をより良い方向へと導く力となるはずです。「社会のレギュラー」として、それぞれの持ち場で存分に活躍してくれることを心から期待しています。

保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。これまで教職員一同、お子様のために全力で3年間向き合ってまいりましたが、お子様の成長を温かく見守り、支えてこられた保護者の皆様のご苦労は計り知れません。これまでの教育活動への御理解御協力と、本日、この日を迎えられましたことに、学校を代表し、心より感謝と敬意を表します。

結びに、卒業生の皆さんの輝かしい未来に、幸多きことを心から祈念し、私の式辞といたします。

令和8年3月10日

埼玉県立狭山工業高等学校長  田中 克典