令和7年度 校長だより
令和7年度修了式 校長講話
皆さん、おはようございます。
いよいよこの一年間の締めくくり、令和7年度の修了式を迎えました。
皆さんは一年間本当によく頑張ってくれました。この一年を振り返れば、1年生は高校生活に慣れ、専門科目の基礎を懸命に学びました。2年生は、実習などを通して専門性を深め、資格取得にも果敢に挑戦しました。ここに集まった皆さんの様子を拝見し、この一年の努力と成長が確かに刻まれていると感じます。
その成長は、皆さんのたゆまぬ努力に加え、先生方の熱心な指導、ご家庭や地域の皆様の温かいご支援あってこそです。この場をお借りし、全ての皆様に心より感謝申し上げます。皆さんもぜひ、周囲への感謝の気持ちを忘れないでください。
社会は今、かつてないスピードで変化しています。AI、IoT、ロボット、環境エネルギーなど、新たな技術が次々と生まれ、私たちの生活や産業を大きく変えています。
このような時代だからこそ、狭山工業高校で学ぶ「ものづくり」の専門的な知識と技術、そして「創造する力」が、ますます重要になります。単に指示されたものを作るだけでなく、自ら課題を見つけ、解決策を考え、新しい価値を生み出す技術者が求められているのです。
ここで、皆さんが学んでいる技術が、どのように社会に貢献し、人々の可能性を広げているのか、二つの例を挙げましょう。
一つ目は、皆さんもよく知る「ドローン」です。ドローンは、すでに様々な場面で活躍しています。災害現場での状況確認や救助活動、農薬散布やインフラ点検、さらには物流にも活用され始めています。
しかし一方で、残念ながらウクライナや中東などで起きる紛争では、安価な兵器としてドローンが使用されています。2学期の終業式でもお話しした通り、コンピュータやGPSといった科学技術は、常に戦争や軍事に深く関わってきた歴史があります。ドローンやAIなども、同じ道を辿ろうとしているのではないかと危惧しています。
本校と同じく技術者を育てる学校には、「技術者たる前に人間たれ」「技術は人なり」という教育理念を示すところがあります。これは、技術者は専門知識だけでなく、倫理観や社会性を備え、技術を通じて社会に貢献すべきだという意味です。私はこの考えに強く共感します。狭山工業高校で科学技術を学び、ものづくりに取り組む皆さんには、常に「正しく科学技術を活用する」こと、「正しく道具を使う」ことを心がけてほしい。そうすることで、皆さんが社会に貢献できる人間に成長してくれることを期待します。
二つ目は、冬季パラリンピックの競技用具です。先日、日本勢のメダルラッシュで盛り上がったオリンピックに続き、3月にはパラリンピックも行われました。様々な障害のあるアスリートたちが創意工夫を凝らし限界に挑む姿は、私たちに大きな感動を与えてくれます。
皆さんは、ゲレンデを猛スピードで座って滑るチェアスキーや、視覚障害のある選手が使う雪上用のガイドシステムなど、最新技術が詰まった用具を知っていますか?
これらの競技用具は、選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、最新の材料工学、ロボット工学、メカトロニクスといった様々な技術を結集して開発されています。軽量で強度のある素材、空気抵抗を極限まで減らしたデザイン、体格に合わせてカスタマイズされた精密なメカニズム、雪上での滑走を支えるブレードの設計など、まさに技術の結晶です。
これらの道具は、障害を持つ選手たちが、自身の限界を超え、夢を実現するための大きな「翼」となっています。
技術は、人の可能性を広げ、より豊かな社会を築くために役立つのです。
皆さんが狭山工業高校で培い、これからも培う知識や技術は、人の可能性を広げ、豊かな社会を築く大きな力となるでしょう。
この技術の無限の可能性を信じ、失敗を恐れず様々なことに挑戦し、仲間と協力しながら新しい未来を切り拓いていってください。皆さんの可能性は無限大です。
さて、2年生の皆さんは来年度「課題研究」という授業を受けることになります。
1年生の皆さんも、来年度は上級生となり、先輩たちの取り組みから多くの刺激を受けることでしょう。
これまでの先輩たちのテーマも素晴らしいですが、ぜひ皆さんには、自ら課題を見つけ、解決策を考え、新しい価値を生み出すことに挑戦してほしいと思います。皆さんがこれまで身につけてきた技術や知識で解決できそうな課題は、身近なところ、皆さんの周りにもたくさんあります。校内だけでなく、本校周辺の地域の方々にも喜んでもらえる、そんな課題解決につながるようなテーマにもぜひ取り組んでもらいたいと思います。実は、近隣の特別支援学校からも狭工生の知識や技術力を期待してリクエストが来ています。そうしたリクエストに応えてくれる生徒が出てきてくれることを、私は心から願っています。
そして、明日から春休みが始まります。
この春休みを有意義に過ごし、新年度に向けて心身ともにリフレッシュしてください。
そのためにも、いくつか心に留めておいてほしいことがあります。
まずは健康管理です。規則正しい生活を心がけ、体調を崩さないようにしてください。
次に安全についてです。交通事故、SNSでのトラブル、予期せぬ災害など、危険は身近に潜んでいます。常に「もしも」を意識し、安全な行動を心がけてください。
そして、新学年でどのような目標を持ち、何を学びたいか、ぜひ考えてみてください。
新しい学びへの準備をしっかり行い、皆さんの可能性をさらに広げるための春休みにしてください。新年度4月8日の始業式で、元気にお会いできることを楽しみにしています。